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近年オフィスのOA 化が進み、様々なOA 機器類が増え、ますますごちゃごちゃしていく配線。
このごちゃごちゃ・・・想像以上に様々な問題をはらんでいます。
例えば、思いつくだけでも
- 単純に見た目が悪い
- 足に引っ掛けることによる様々な事故(転倒によるケガ、ケーブルの破損、OA機器の破損、ネットワーク停止等々)
- たこ足配線やほこりによる火災
などが懸念されます。
今回の記事では、配線がごちゃごちゃすることによるデメリットを整理し、対策をご紹介したいと思います。
配線がごちゃごちゃすることで生じるデメリット
パソコン関係のトラブル
Wifiをはじめとする無線化が進んでおり、以前よりは状況は改善していますが、サーバーやCAD用高スペックPCなど据置のPCを利用している場合は、LANケーブルや電源ケーブル、モニターケーブルなどの配線に悩まされることが少なくありません。
LAN ケーブルなどのケーブルの中身は金属製の導線でできているため、曲げた状態で使用したり、頻繁にケーブルに躓いたり、椅子や机で踏んでいたりを繰り返すと、劣化と共に切れ断線する危険性があります。
また、LAN ケーブルのコネクター部も衝撃に弱く、ケーブルに引っ掛かり強く引っ張られることにより破損することもあります。
このLAN ケーブル、ルーターの根本のケーブルが断線すると、会社のネットワーク全体に影響が出てしまいます。言わずもがなですが、インターネットが利用できなくなったり、サーバーにアクセスできなくなることで、業務に支障をきたすことは明らかです。
電源コードで火災が発生した事例も
東京消防庁によると、ショッピングモール内の物品販売店舗において、テーブルタップと延長コードの接続部で発熱が起こり、付近の床板に着火し出火した事例があるとのことです。
また、一般住宅において、電源コードがカラーボックスやオイルヒーターなどに踏みつけられ、配線被覆が損傷することで出火に至った事例もあるとのこと。
電撃殺虫器のリード線に埃が蓄積したことで、リード線の被覆に着火して出火したケースもあるようです。
このように、延長コードのたこ足配線やデスク等の配置、埃の蓄積が火災を生む可能性があります。
見た目も悪く、来客への印象の悪さやイライラの原因にも
乱雑した配線は、決して見栄えのいいものではありません。
経営者自らトイレを掃除するというのはよく聞く話ですが、お客様をお迎えした時に悪い印象を与えるものはできるだけ排除したいものです。
また、オフィスで働く社員も、毎日その乱雑するケーブルを目にするのは、気分もあまり良いものではありません。移動するたび配線に引っ掛からないよう気に掛けたり、机の上に無造作に置かれた配線も作業の邪魔になり仕事の効率も低下し、イライラやストレスの原因にもなりかねません。
私も、掃除の際に上司のパソコンから伸びた電源コードを引き抜いてしまったことがありますが、その後の結末は皆さんのご想像にお任せします。
配線がごちゃごちゃする原因は
配線がごちゃごちゃする原因を紐解いていくと、社員の増員やパソコンをはじめとする機器の追加購入により、元の配線を見直すことがなく、ある意味無計画に追加追加で様々な種類のケーブルが追加されていくケースが多いようです。
いつの間にかごちゃごちゃしてしまった・・・というのが多くのオフィスで起こっていることです。
このケーブル問題については、総務・庶務の目が届かないことも多く、気付いた人がいたとしても手を出すと上記のようにネットワーク停止などの事態を引き起こしかねないことから、あえて無視することも少なくありません。
従って、この配線問題を解決するためには、トップダウンで全社的な協力を得て短期間に行うことが必要となります。
オフィスの配線解決策
オフィスの配線問題を解決するには、コストをかけずに簡単にできる方法からより大がかりなリフォームに近い方法があります。
簡単でコストがかからない方法
- ばらばらになった配線を、バントでひとまとめにする
- 「モール」で配線を隠す
- ケーブル類をまとめるボックスなどの配置
この方法は簡単に言えば、「臭いものには蓋をしろ」作戦です。
ケーブルを工夫して収納するだけであれば、コストを掛けずに社内でも対応することができますし、見た目はずっと改善します。
「モール」というのは、複数本のケーブルをまとめて保護し目立たなくすることができるカバーで、両面テープがついているものもあります。ケーブルをまとめてモール内に入れ、壁や床に貼りつけるだけの簡単作業でまとめられます。
ただし、あくまでもモールは、ケーブルをカバーするためのものです。頻繁に足や椅子に踏まれやすい位置に取り付けると、モールの凹凸につまずいたり破損することがありますので注意が必要です。
より抜本的な対策
より費用をかけて抜本的に対策するもあります。
- 電話配線やLAN ケーブルの配線整理
- OAフロア化
電話配線に関しては、資格を持った業者のみが対応可能です。また、LAN ケーブルも業者に依頼することにより、オフィス状況にあわせて、先のレイアウト変更を見越した配線整理をしてくれます。
最も配線がスッキリする方法としては、OAフロア化があります。
OA フロアでオフィスを快適に
OA フロアとは、床下に空間を設け、床を二重にしたフロアのことを指します。
床を二重にすることにより、スペースをつくり、床上に乱雑になりがちな配線ケーブルを、床下空間に収納します。
OA フロアにすることにより、以下の効果が得られます。
- 配線がすっきり収納でき、見栄えがいい
- 配線が床上に出ていないので、オフィスのレイアウト変更がしやすい
- 配線が出ていないので、埃がたまることがなく漏電の心配もなく掃除がしやすい
- 配線につまずくこともなく、床下にかくれた配線は頻繁に曲げ伸ばしもないので断線の心配がない
OAフロア化はある意味、既存の配線を一旦クリアにし、根本から配線し直すことになるため、引っ越しやオフィスの内装リフォームのタイミングで行うことが適しています。