オフィスをリノベーションするにあたっての費用相場と注意点

オフィスは会社にとって顔であり、従業員にとっては日々働く場所です。

昨今のコロナ禍の影響でリモートワークへの移行も進み、オフィスの使い方は変化しつつあります。

しかし、オフィスが快適であることが重要だということに変わりはありません。

既存のオフィスをより快適な空間にするのに有効な手段として、オフィス・リノベーションという方法があります。

ここでは、オフィス・リノベーションの費用相場、その注意点についてご紹介します。

オフィス・リノベーションにかかる費用

オフィス・リノベーションの際にかかる費用の相場は、坪単価10~30万円

オフィス全体を「フルリノベーション」する場合は坪単価30万円程度、部分的に工事する「ポイントリノベーション」は坪単価10万円程度が相場です。

1坪はおよそ3.3㎡、従業員一人当たりに必要な坪数は4坪(13.2㎡)と言われています。

10人程度の従業員が働くオフィスは40~50坪程度の広さとなるため、リノベーション費用は400~1,500万円程度と見積もることができます。

ただし、リノベーションする範囲や、内装、使用する建材などによって費用は大きく変動します。

リノベーションはリフォームとは異なる

まず、リノベーションとリフォームは工事の方向性が異なることを、ご存知でしょうか。

この二つは混同されることが多いのですが、目的が大きく異なります。

オフィスリノベーションについてお話を進める前に、「リフォーム」「リノベーション」の違いについて押さえておきましょう。

リフォーム

老朽化した建物を、新築同様の状態に戻すことです。

壊れている、汚れている、古くなっているなど、スタート地点がマイナスの状態であることが多く、それらを新築の時のようなゼロ地点に戻すことが主な目的となります。

リノベーション

建物の性能を向上させたり、価値を高めることです。その性能や価値は、新築以上であることを指すことが多いです。

リフォームがゼロ地点に戻すことが目的だとすると、ゼロにさらにプラスして、新築時よりも価値あるものにするということが目的となります。

オフィス・リノベーションには良い効果がたくさんある

オフィスをリノベーションすることによって、オフィスにどのような付加価値を生み出すことが出来るのでしょうか。

業務効率や生産効率アップ

無駄の多い動線や、配置は業務効率の低下を招きます。

逆に動線を見直したり、間取りを変えることによって、業務効率は大幅に改善することが可能です。

無駄な間仕切りを取り払うことで、部署間のコミュニケーションがとりやすくなったり、共有空間にミーティングスペースを設置することで、ちょっとしたミーティングの場を持ちやすくなります。

その結果、リノベーションすることによって生産効率のアップも見込めると言えるのではないでしょうか。

特に急成長をしている会社の場合、入居時の想定と異なる机や棚の配置になってきている可能性もあり、リノベーションのタイミングと言えます。

リノベーション費用は安くはありませんが、それをカバーできるくらいの生産性アップを期待したいところです。

企業イメージの向上

オフィスは会社の顔そのものです。

取引先や商談相手を自社オフィスに招いた時、オフィスの印象は大きく影響します。

オフィスの第一印象が良くなければ会社イメージも下がってしまい、商談に影響を及ぼすリスクもあるということは言わずもがなです。

リノベーションした綺麗でオシャレなオフィスであれば、来社した人の会社に対する印象はぐっと良くなるでしょう。

オフィスが綺麗であれば入社希望者の意向も上がり、採用がうまくいくこともあるでしょう。

経費削減につながる

オフィスにありがちなのが、夏暑く冬寒いという現象です。原因の一つとして老朽化が挙げられます。

断熱などの機能が失われた状態の素材を使用し続けることで環境が悪化し、それを改善するためにエアコンを過剰に稼働させ、多くの電気代がかかるという負の循環が生まれています。

こういったケースでは、リノベーションで断熱性の高い素材や調湿機能のある素材を使うことで、環境は劇的に改善されます。

その結果、光熱費のコストダウンも実現できます。

社員のモチベーション向上

見た目はもちろん、快適な環境や空間は、個人のモチベーションもパフォーマンスも上げます。

また、職場環境の良さは離職率の低下にもつながり、社員も定着しやすくなります。

オフィス・リノベーションの注意点

オフィスリノベーションをする場合には、事前に必ず押さえておきたい注意点があります。

事前に確認をしておかないと、後で予期せぬ費用が発生したり、想像していたリノベーションが出来なかったという事態になりかねません。

貸主とのコンセンサスを取っておくこと

賃貸物件は解約の際は原状回復が基本です。

しかし、リノベーションによってきれいになった物件をそのまま次の契約につなげたいというオーナーもいるため、必ずしも原状回復が必要とは限りません。

原状回復を求められる場合は、原状回復しやすいようなプランでリノベーションを検討し、撤去したものの保管料や、撤去時の工事費等も予算にあらかじめ組んでおく必要があります。

いずれにしても、重要なことは貸主とのコンセンサスを取っておくことです。

事前に貸主としっかりコミュニケーションをとっておけば、退去時の条件を緩めてもらえることもあります。

施工可能範囲の把握

リノベーションをする前に、まならず賃貸契約を確認しておきましょう。

規約の内容によっては出来ない工事があったり、変えてはいけない箇所があるケースも多いです。

例えば、建物自体の耐震構造上必要な壁や柱を勝手になくしてしまうことはできません。

オフィスリノベーションの際には、必ず事前にビル管理者と打ち合わせをし、施工可能範囲を正しく認識しておくようにしましょう。

デザイン、施工業者の選択

オフィスリノベーションを多く手掛けている業者を複数探しましょう。

リノベーションをする際には、消防法を順守することも重要です。

消防署の職員がチェックに訪れた際に、仕切りなどについて是正を求められることはしばしばあります。

値段だけで業者を選ぶと、こういった基本的な面について指摘してくれないこともありますので、細かいルールをきちんと押さえた上で、良い設計をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

まとめ

  • オフィス・リノベーション費用の相場は400~1500万円程度
  • オフィス・リノベーションは会社にとっても良い影響が多い
  • 事前に貸主とのコンセンサスを取ることが重要
  • 業者を選ぶ時には、同時に複数から見積もりを取る

オフィスのリノベーションはやり方次第で会社の業績アップにもつながります。

費用はかかりますが、オフィスに問題があると感じているのであれば先行投資として検討すべき手段です。

今のオフィスの問題点をしっかりと洗い出し、従業員にとっても会社にとっても良い効果の出るリノベーションを実現しましょう。