オフィス・工場をリフォームする際に、限られた予算の中でどの箇所をリフォームすれば従業員の満足度や労働生産性を上げることにつながるのか、について頭を悩ます担当者の方も多いかと思います。
答えは職場の状況や業種によって様々かと思いますが、「トイレ」が頭に浮かぶ方も多いかと思います。
事実、「オフィストイレの意識調査2022 LIXIL」において、オフィス環境で重視することで「トイレ」と答えた人が第1位(全体の82%)にのぼっており、働く人の多くがトイレに関心を寄せています。
一個人としてみても、トイレはリラックスできる空間でもありますし、汚いとやる気が下がり、綺麗だとやる気も維持できるということは納得できるところです。
これは弊社でも多くの施工を通じて、実感しているところです。
このページでは、トイレがなぜ重要なのか、おすすめのトイレリフォームのポイントや弊社が手がけた事例を紹介していきます。
目次
トイレの充実が仕事の効率UPに影響する
株式会社LIXILの2012年調査によると、「トイレの充実が仕事の効率UPに影響する」と答えた人の割合が半数を超えました。
特に女性に顕著で、72%の方が「影響する」と答えています。実際に当社がリフォームのお話をいただく際は、女性従業員からの改善要望がきっかけとなっているケースが殆どです。
(出典:株式会社LIXIL オフィストイレの意識調査2012年1月 回答者:オフィスで働く20~50代の男女1000人『男性:500人/女性:500人』)
そして、2022年度の同調査においても、トイレが充実すると仕事の効率アップに影響すると答えた人が71%に上っているなど、依然としてトイレが重要視されていることが分かります。
むしろ重視する男性の割合が上昇しており、全体的によりトイレへの意識が強まっていると言えます。
このようにトイレの充実は仕事のモチベーションに大きく影響を及ぼしていると言えます。
では、何を充実させれば良いのでしょうか。
端的に言えば、
- 質的充足・・・綺麗なトイレ、設備が整ったトイレ
- 量的充足・・・用を足したい時に並ばなくて良い
の2つです。
従業員の方がトイレに不満を抱えている場合、このどちらかに問題を抱えています。
まずは、量的な面から考えてみたいと思います。
トイレの混雑緩和が労働生産性を向上させる
組織再編や好業績により従業員の数が増えたため、トイレに入るのに並ばなければいけなくなった・・・という事態を耳にすることがあります。
ある会社では、1人の従業員が朝に出勤後、トイレに入るために並んでいたら終業時間を迎えてしまった・・・という笑い話のような話もあります。
実は、トイレの設置数は労働安全衛生規則の628条に定められており、男性用・女性用トイレは区別されなければいけないことに加え、女性が一人でも働いていれば、女性用トイレを設置する必要があるとされています。女子トイレは、20人以内ごとに1個設置する義務がありますので、女性が100人働いていれば5個を設定する義務があるということになります。
では、法律で定められた最低限の個数で混雑が発生しないかというと、実はそうではないのです。
これを簡単な例でみてきたいと思います。
トイレの混雑具合を次のような前提条件を元に待ち行列理論でおおまかに計算してみます。
すると、待ち時間はおおよそ25分となります。
トイレに行くたびに25分も待っていては相当に労働生産性は悪いと言えるのではないでしょうか。
解決策としては、シンプルに個室の数を増やすことです。
この前提条件の元、個室の数を倍の10個とした場合、待ち時間は3.6分と計算できます。
これから分かることは
- トイレ以外の居場所を作り、個室に長居する従業員を減らす
- トイレの数を多くする
- テレワークを活用してオフィスに出社する従業員の数を減らす
ことがトイレの待ち時間削減に有効である=労働生産性の改善に有効であるということです。
そして、トイレの待ち時間が減少すれば、実労働時間を増やすことになりますから、労働生産性の向上に重要となることが分かると思います。
リフォームというとコストと捉えられがちですが、リフォームによって従業員の仕事効率を向上させるという、より投資的な観点も有効ではないかと思われます。
では、質的な面を高めるためにはどうしたらよいでしょうか。
トイレに設置すると喜ばれる機能・設備
では、トイレの質的充足を向上させるには何が必要でしょうか。ここからは、従業員の方に喜ばれる機能や設備をご紹介します。
1 擬音装置
多くの女性が排泄音を聞かれたくないと思っています。
TOTOによると、女性は排泄音を聴かれたくないが故に1回のトイレにつき平均2.3回の水を流すとのこと。
当然、それだけ水道代がかかります。エコやSDGsの考え方からするとあまり望ましくない状態だと言えます。
では、別の方法で排泄音自体を聞こえなくすることで、水を流す回数を1回にすることでどうなるでしょうか。
結果的に、女性400人が働く1,000人規模のオフィスであれば、年間約386万円もの水道代を節約することになるとのことです。
擬音装置は、会社にとっても女性労働者にとっても、地球環境にとっても非常に価値があるものだと言えます。
2 遮音・防音機能
擬音装置と考え方は同じですが、小規模なオフィスの場合、ワーキングスペースにトイレが近いということがよくあります。このため、擬音装置だけでなく、壁や扉の防音性能にも目を向けたほうが良いでしょう。
壁の防音性能を上げるためには、断熱材を壁に入れるような工事が必要となり、効果が得られる一方でコストがかかります。
一方、扉を遮音・防音性能に優れたものに交換するという手段も考えられます。
壁の防音性能を上げるほど劇的な効果は得られませんが、それでも一定の効果は得ることができ、比較的安価で導入することができるためおススメです。
3 パウダールーム(スタイリングコーナー)
近年ファッションビルなどで、目にすることの多いパウダールームですが、女性が化粧直しをする場として、とても重宝されます。
パウダールームで化粧直しをしていたら、逆に業務効率が下がるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、女性従業員が営業や接客で気持ちよく能力を発揮してもらえるようにしたり、喫煙率が男性にとって低い女性にとって喫煙室に代わる貴重なリラックスの場として活用していただけます。費用対効果としては決して低いものではないでしょう。
4 プライベートロッカー
プライベートロッカーも、女性従業員に喜ばれる設備です。女性は男性に比べて小物を持ち歩くということが多くなりますので、収納できるスペースがあると喜ばれるのです。
特に鍵付きのプライベートロッカーはセキュリティ的にも使い勝手的にも良いと言えます。
5 明るく、清潔であることがやはり重要
2017年の「良いトイレのイメージ」アンケート調査(@niftyニュースより)では、93.4%の人が「清潔」であることを求め、65.3%の人が「明るい」雰囲気であることも求めています。
2022年のLIXIL調査においても清潔・清掃されていることが第1位に上っています。
このように、トイレに付いている機能が豊富であることが勿論ですが、清潔感や明るい雰囲気であることは最も外すことができない中心的要素であることが分かります。
では、清潔にするために何が必要でしょうか。
しっかりと清掃が行き届いていることが必要であることは言うまでもありませんが、臭い対策についても色々と考える必要があります。
実は、芳香剤の臭いを苦手とする方は多くいらっしゃいます。また、配管から臭いが逆流してしまっていることもままあります。
このように臭ってしまうトイレは、幾ら綺麗に磨いていたとしても、嫌な印象を受けるものです。
清潔であることについては、臭い対策も含めて総合的に考える必要があります。
トイレを会社のイメージアップにつなげる
我々は、ホテルや飲食店などに入った際、そこがどれだけお客様に気を遣っているか、どれだけ素敵な雰囲気を味合わせてくれるのかを判断するのに、トイレで判断することが多くあります。
せっかく高級なお店にワクワクしてはいっても、トイレに入ると急に現実的な清潔感のない空間だと、それだけでげんなりしてしまいます。反対に隅々にまで気を配った清潔感溢れ、リラックスBGMが流れるトイレだったりすると、何となく居心地がよくなったりすることもあり、またこのお店を利用したくなります。
全てのホテルや飲食店に非日常を求めている訳ではありませんが、頻繁に使うトイレはどうしても目についてしまいますし、直接的に満足度に影響してしまいます。
それと同じように、大切な取引先や、はじめて取引をする企業の訪問者など、外部の人が利用する際に、トイレで会社イメージを印象に残してしまう可能性があります。「会社の勢いはトイレをみればわかる」という言葉が存在するほど、トイレの快適さは会社のイメージに直結しているのです。
売上や粗利は事業活動のアウトプットとしてお客様からもたらされるものであることは言うまでもありませんが、社員の労働生産性の計算式では、分子に入ります。
コストという分母が一緒でも分子が大きくなれば労働生産性は向上する訳ですから、こういった視点からみても会社トイレ改善は必要ということができます。
施工事例
オフィスの空きスペースにおしゃれなトイレを増設
空きスペースにトイレを増設した事例です。
担当者様のご要望もあり、トイレタイムを楽しんでいただけるよう、壁紙などにも気を配り、高いデザイン性を追求した事例です。
実際にトイレの環境が良くなったことでトイレストレスが無くなったとのことで、従業員満足や生産性向上のお手伝いができた事例かと思います。
和式から洋式へのトイレリフォーム
非常にオーソドックスな、和式から洋式トイレへのリフォーム事例です。
昨今、日本人でも多くの方が洋式トイレに慣れており、和式トイレに対して”汚い”などのネガティブなイメージを抱いている人も多く見られますし、実際に用を足す際に困る方も多いようです。
トイレリフォームとしては非常にオーソドックスですが、多くの方に喜ばれることも事実です。
外国人労働者の方を念頭においたトイレ改修
昨今、東南アジアの各国でも日本で言う洋式のトイレが増えているそうです。
昔は、日本の和式トイレに似たトイレが多かったようですが、洋式トイレへの変化は正にユニバーサルものになっていると言えるのではないでしょうか。
この事例における食品製造会社様は、外国人労働者の方が多く働いていることもあり、トイレのユニバーサル対応に取り組んだ事例と言えます。
食品製造会社様らしく、衛生面に気を遣ったトイレとなっています。
その他の施工事例
>>その他の工場・オフィスのトイレリフォーム事例一覧はこちら
お客様からの感想
新しいトイレは落ち着いた感じの内装になり、パウダールームとしても使えるようになったので、業務が忙しい時でも気持ちをリセットできるようになりました。清潔になったことも好印象です。また、お客様にトイレを使っていただくこともありますが、リフォーム後は当社への印象も良くなったのではないかと思います。
リフォーム前のトイレは、経年のせいかアンモニア臭がするようになり、それを消すために芳香剤が置かれたことで余計に臭くなっていました。トイレに入ると顔をしかめることもしばしばでした。リフォーム後は、臭いが殆ど気にならなくなり、ウオッシュレットも設置されたので、とても快適です。掃除の当番が回ってきた時も、掃除が楽になり助かっています。
当社が選ばれるポイント
- オフィスや工場、事務所をはじめとした非住宅のトイレリフォームに多くの施工実績があります。
- 使用する方の立場に立った空間提案に高い評価をいただいております。
- お見積の段階から知見を有した建築士が対応します。
- ローコストモデルから高価なモデルまで様々なメーカーの様々な便器をお選びいただけます。
- ご予算に合わせた柔軟な対応が可能です。
<当社所属の建築士>
トイレリフォームの費用
お客様のご要望や現在のトイレの現況によって費用は変わってきますので、まずは建築士が現況を確認させていただいてから、お見積りという形になります。お見積は勿論無料です。
また、状況をお電話やメールにてお知らせいただければ、その場で概算を提示させていただくことは可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
おすすめの便器
TOTO ネオレスト
トイレのブランドとしては、一番有名なのがTOTOです。上記の次亜塩素酸を含む水の生成機能があります。
LIXIL アメージュZ
空気清浄機で有名になったプラズマクラスターによる除菌機能がついているのが特徴です。
また、リフォーム専用のタイプもあるなど、既存の様々なサイズの配管に合わすことのできる柔軟性が特徴です。
Panasonic アラウーノ
トイレのボディに陶器ではなく、有機ガラス系素材を使っており、水アカが固着しにくく、お掃除が楽になります。加えて、割れやヒビにつよく、キズにも強い特徴があります。
また、泡を発生させ、洗浄する機能がついていますので、更にお掃除が楽になります。
オフィスや工場、事務所、飲食店のトイレリフォームで気をつけたい点
臭い
「臭い」は大きな問題となります。自分の座席の近くにトイレがある場合、アンモニア臭であったり、芳香剤の臭いが鼻につきます。特に飲食店では、客離れにつながりかねません。このような場合は、自動で洗浄するトイレを導入することで、アンモニア臭等の臭いを消し、消臭剤や芳香剤を不要にすることが有用です。
また、床の排水口から上ってくる臭いへの対策も必要となります。タイル敷きの古いタイプのトイレでは、水で汚れを流して排水するという方式が多く、排水口は臭いの大きな原因となります。臭いをどうにかしようと換気扇を回すことでトイレ内気圧が下がり、排水口から臭いが上ってくるという負の循環になるのです。
最近では床材も進化し、モップで拭くことで簡単に汚れが落ちるようになっています。このような床材を使えば、水を流して清掃する必要がなくなり、排水口も不要となり、結果的に臭いが排水口を上ってくることもなくなります。
ばい菌
複数の人が使用するトイレでは、他の人がトイレの器物に触れることで、ばい菌が付着することもあります。
例えば、インフルエンザウイルスです。インフルエンザの感染には飛沫感染と接触感染がありますので、トイレにおける接触感染の可能性は否定はできません。特に、トイレは全ての従業員が使うものですので確率的には高くなると言わざるを得ません。
対策としては、トイレのフタが自動で開閉する機能や自動水栓を導入することです。
寒い時期になると、インフルエンザが猛威を振るい、一部門が事業停止に追い込まれる会社があるのは皆さんご存知の通りです。このような経済的損失を防ぐためにもトイレを見直すことも必要ではないでしょうか。
既存の配管
建物によっては、配管の勾配が逆、または緩勾配、下水道接続までが遠くなっている、配管が複雑に曲がりくねっていることがあります。この様な状況ですと、トイレの洗浄水では汚物が流しきれず配管途中に止まってしまい、そこに更なる汚物が堆積し詰まりを起こします。
原因としては、地盤沈下や、地盤の変形等によって地中に埋まっている排水管が動くことが挙げられます。排水管の一部が上下に動いた場合は排水が流れる傾斜角度が変わってしまい、逆勾配または、勾配なしの水平となってしまうこともあります。若しくは、配管の施工不備の可能性もあります。その様な状況になると、ラバーカップでいくらやっても詰まりは直りません。通ったと思っても、またすぐ詰まってしまうといった状況は、配管が詰まっている可能性が高いと言えます。
配管が詰まりやすい状況では、トイレを現在主流となっている節水タイプに交換すると流す水量が不足し、余計に詰まりやすくなります。従って、節水タイプに交換する場合は、事前の排水のチェックや場合によっては配管の修繕が必要になります。
営業地域
川口市、さいたま市、戸田市、蕨市をはじめとした埼玉県全域のお客様や東京都の一部地域のお客様にお伺いしております。法人、個人を問わずに対応しておりますので、お気軽にご相談やお見積もりの依頼をしていただけると幸いです。相談・お見積りは勿論無料です。